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当店オープンが決まった2024年に当店担当の私は長野県松本市のSugi工房現地へ訪問し、木材選定や木材をベースにした仕様やカラーの相談を行ってまいりました。
今回製作した当個体は、Sugiの工房でたまたま発見してしまったバックアイバールがあまりにもカッコ良い上に特徴的な杢目が出ていた事からインスピレーションを受け製作致しました。
というのも、ボディートップに発生していたバックアイバール特有の穴が蝙蝠の羽の様な形状をしており、これにレジンを流し込めば絶対にカッコいいギターが完成すると確信を抱いた為、蝙蝠づくしな仕様でオーダーする事に決定致しました。
ボディー各所の蝙蝠柄の杢目(青レジンの部分)は勿論の事、指板のバットインレイ、ピックアップカバーやノブの蝙蝠彫金と、全体的に統一性のあるデザインとなっている為、当個体のカッコよさはずば抜けて優れたものとなりました。
今回、青いレジンを流し込む事を決めた訳ですが、Sugiの職人さんに"バットインレイも青色にして欲しい"と我儘を言ったところ、かくも見事なインレイに仕上げて下さりました。
白蝶貝とトルコ石調の素材を組み合わせてインレイデザインをして下さった事で、指板上もメリハリのあるルックスに仕上がりました。
ボディートップとのマッチングも非常によく、大変美しい組み合わせとなりました。
話を工房での木材選定時に戻させて頂きます。
ボディートップが決まった後、サウンドをどうまとめるか、全体的にどういったルックスにするかを考える必要があった為、各種木材の選定と決定の作業に移りました。
様々な考えるポイントがございましたが、まずはサウンド重視でボディーバック材や指板材を考える事にしました。
バックアイバールは非常に柔らかい材で、トップ材に使用をしたとしてもあまり大きくサウンドに干渉をする事がありません。
大体フラットな特性を持つトップ材であるからこそ、あまり高域やミッドを際立たせない木材と合わせると最大限ボディーバック材の特性を活かす事が出来ます。
そこで選択した材がアルダー材でした。
アルダーは"枯れたサウンド"等と評される事が多いですが、実際のサウンドとしては、程よい高音域の主張と色っぽく艶やかなミッドからハイミッドにかけての帯域、そして適度に締まりのあるローミッドを持つ材です。
無駄に高域を主張させないバックアイバールであるからこそ、アルダーとの組み合わせは抜群であると考えました。
次に選定したのは指板材のブラック&ホワイトエボニーでございます。
その美しい杢目により、ルックス的に非常におススメでもあるのですが、それ以上に注目して頂きたいポイントが、サウンドに関してでございます。
ブラック&ホワイトエボニーは、エボニーの名を冠する通りエボニー系の木材となります。(正確に言えば黒柿の親戚とも言える木材ではありますが)
サウンド的には真っ黒なエボニーに劣る事無い、ハッキリとした音の立ち上がりと、澄んだ高音域を得意としております。
ボディー材にアルダーを選んだが故に、耳障りな高音域を出す事なく、煌びやかで透き通ったサウンドを創り上げております。
指板材を選定するに当たってタッピング(材を叩いてのサウンドチェック)をした中でも特に音の良かった材をセレクトしているのですが、そのサウンド的に選りすぐりのB&Wエボニー材の中でも最も美しいルックスを持つこの材をセレクト致しました。
サウンド選定の基準としましては、特に高音域が澄み渡っており鳴りや残響感に優れた材を良い個体としてセレクトしております。
全ての材を選択した後に、この個体に採用するカラーを熟考致しました。
前述の通り、この個体に使用したバール材は蝙蝠の様な杢目があり、青いレジンを流し込む事を決めていた為、ボディーカラーには、蝙蝠の活動環境である"暗闇"をイメージした色味にて製作を致しました。
実際に完成したこちらの個体の画像をご覧頂いても明確な様に、最高なルックスを誇る仕上がりとなっております。
ただグレー系に塗装するのではなく、紫色やダークなブルー等が入り乱れた配色をする事で、自然界の闇夜を彷彿とさせるような、冷ややかながらも無機質では無い雰囲気のルックスに仕上がりました。
杢目それぞれの表情もカラーが変わる事で様々な表情を見せてくれており、杢目フェチであろうとなかろうと魅惑する極上の美を作り出しております。
ネックには、王道中の王道たるハードメイプルを使用。
程よく粘りと速い反応を持ち、その上に高い合成を持つ材である為、トラディショナルギターの王道な組み合わせであるアルダーボディーとメイプルネックの組み合わせは勿論マッチしております。
輪郭がハッキリと出てくれる上にメイプルらしい粘りのあるサウンドがメイプルネックの採用により生まれる為、ネックの剛性面でもサウンド面でも自信を持ってお勧めが出来る組み合わせとなります。
兎にも角にも、二度とお目にかかれない奇跡の杢目(節)を持つ最上級の材を使用した個体となります。
時に敵に作り出す事が出来ない、唯一無二の蝙蝠模様と、蝙蝠をコンセプトに作り上げた当個体の為だけのスペックを是非お楽しみ下さいませ。
~About DS496~
DS496はSugiのフラッグシップモデルとして送り出されて以来、世界中で多大な支持を集めているギターでございます。
テレキャスターがベースとなったボディーシェイプでございますが、そのサウンドや機能、そしてなにより芸術性の高さから、日本人のみならず世界中のギタリストを魅了しております。
当モデルは計算されたヒールカットやコンターカットにより、ストレスのない演奏が望めるギターとして設計・製作されております。
身体にフィットする上にハイポジションへもノンストレスでアクセス出来る秀逸なデザインで仕上げられたボディー形状に加えて、ミディアムスケールを採用している点も大きなメリットをもたらしております。
ミディアムスケールならではの緩いテンション感でのプレイが望めるので、チョーキングやビブラート等、左手でサウンドに表情を与えるプレイを好む方にとって非常に嬉しい仕様となります。
サウンド的にもロングスケールと比べてゆったりとした甘いトーンを出しやすくなる為、メロウなサウンドメイクを好むプレイヤーや軽いタッチでの演奏を求める方には特におすすめが出来ます。
ネックシェイプは比較的薄めなネックシェイプをしており、手が小さい方でもストレスなく演奏が出来る程でございます。
非常になだらかな弧を描いたシェイプをしており、ネックサイド周辺で急にカーブが変わる様な感覚も一切ありません。
この様なネックシェイプを採用している為、テクニカルプレイをするプレイヤーには勿論の事、しっかり握り込んでコードプレイを多用するプレイヤーにもオススメが出来るのです。
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