1963年に登場したGibson Firebird。
カーデザイナーのレイ・ディートリッヒによる誇り高く美しいデザイン、そしてその至高の存在感は、今もなお人々の心を惹き付けてやみません。
レイ・ディートリッヒは戦前、数多のアメリカの高級車のデザインを手がけました。
その華麗、流麗でありながらも重厚感をたずさえたディートリッヒの“作品”である車は、当時の成功者たちの富のシンボルとなりました。
そしてその美しき名車たちの姿は、昔日の映画のフィルムに成功者たちのステータス、人々の夢の象徴として焼き付けられています。
1960年代初頭、ミシガン州カラマズーにてリタイア生活を送っていたディートリッヒの元に、当時のGibson社の社長テッド・マッカーティよりギターデザインの依頼が飛び込みます。
Explorer、Flying V、Theodoreと革新的デザインのギターの発売に意欲的だったマッカーティにとって、伝説的カーデザイナーのディートリッヒの起用はまさにうってつけだったに違いありません。
ディートリッヒがデザインしたFirebirdは、大型であることがステータスであった当時の車と同じく大きなボディデザインにて完成。
ディートリッヒはアメリカンドリームを見事にギターへと昇華させ、Firebirdを世に羽ばたかせたのです。
1963年にデビューしたオリジナルFirebirdはバンジョーペグ(ヘッド裏側にツマミがある物)、ショートバイブローラ仕様とゴージャスではありますが、現代の観点では少々使いにくいものであるかもしれません。
この「Firebird Platypus」は、Firebird過渡期であった1965年にあった仕様を基に製作されています。
ヘッドはノンリバースでGrover? Mini Rotomatic?チューナーを搭載、ブリッジはABR-1タイプのTune-o-maticと、実戦的な仕様を採用。
ネックはFirebirdと言えばのスルーネックではなくセットネックですが、大きな木材を必要とするスルー構造よりもコスト面で有利なことは見逃せないポイントです。
PUはFirebird Mini Humbuckerを2基搭載。
名前に“Firebird”と付く通り、他のモデルに搭載されるミニハムとは違う構造を持ちます。
ポールピースではなくバーマグネットが配置されたその構造が生むサウンドは、ブライトなニュアンスを持ちつつも、そこにハム構造ならではの中域の密度、粘りが加わる魅力的なものです。
また大きなボディが生む、ワイルドな鳴りとナチュラルな低域もFirebirdならではの大きな魅力です。
低音弦のみならずプレーン弦のサウンドも太く聴こえるのは、まさにこのボディのサイズ感ならではの恩恵と言えるでしょう。
そしてこの大きなボディ鳴りとPUのブライトなニュアンスの絶妙な融合、そしてその高い完成度を体感すれば、Firebirdが何故“マスターピース”としてロック史を華麗に翔けてきたのか、その理由が分かるはずです。
1960年代の人々が車とギターに託した夢に思いを馳せるも良し、魂のブルース、流麗なスライドギターを決めるも良し。
是非お手元にどうぞ。
スペック
■Body:Mahogany
■Neck:Mahogany
■Fingerboard:Rosewood
■Radius:304.8 mm / 12 in
■Scale:628.65 mm / 24.75 in
■Nut width:43.053 mm / 1.695 in
■Nut:Graph Tech
■Bridge:Aluminum Nashville Tune-O-Matic
■Pickup:Firebird Mini Humbucker
■Controls:2 Volume, 2 Tone、3-way Toggle
■Case:Hard Case
■Weight:約3.94kg
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