今回の個体でまず目を惹くのは、やはりAAフィギュアド・メイプルを使用したトップです。
そもそも「杢」と呼ばれる模様は、木材に後から描かれたものではなく、樹木が成長する過程で生じた木部の繊維方向や組織の変化が、製材された際に模様として現れたものです。
レスポールで人気の高いフレイムもそのひとつ。
木の繊維が均一に真っ直ぐ並ぶのではなく、細かく波打つような状態になっている材では、見る方向によって光の反射の仕方が変化します。そのため、ある角度では濃い縞が現れ、少し角度を変えると薄くなったり、逆側の杢が強く浮き上がったりします。
いわゆる「杢が動く」と表現されるのはこのため。
プリントされた模様とは違い、実際の木部の構造によって見え方が変化するところがフィギュアド・メイプルの面白さです。
そして本個体では、その細身のフレイムに加えて細かなフレックが多数確認できます。
フレックとは、メイプルの組織のひとつである**放射組織(レイ/髄線)**が、木材の切り出される方向によって表面に現れたもの。
細かな筋や短い線、斑点のように見える部分がそれにあたり、傷や塗装ムラではなく、木材そのものが持っている天然の表情です。
特に本個体は、太く均一なフレイムが一直線に並ぶタイプというより、細かな杢が全体に入り、その中にフレックが散るタイプ。
写真でもトップ各部に細かな縦方向のフレックが確認でき、横方向へ走るフレイムと交差することで、単純な「トラ杢」だけではない複雑な表情を作っています。
さらにUnburstは外周を濃い色で覆い隠さないため、こうしたメイプルそのものの特徴が非常によく見えるカラーです。
正面では比較的落ち着いたトップに見えながら、光を受ける角度が変われば細かなフレイムが一気に浮かび、その間からフレックが覗く。
派手な太杢とは違い、近くで見るほど木そのものの情報量が増していく。
今回のUnburstは、そんな天然のメイプルらしい面白さを存分に楽しめる個体です。
'60sを選ぶ大きなポイントとなるのが、Slim Taperネックです。
'50sモデルのしっかりと肉厚なグリップに対して、こちらは程よく薄く仕上げられており、ポジション移動や速いフレーズでも扱いやすいフィーリング。
レスポールらしい鳴りをしっかりと残しながら、握り込みやすさや現代的なプレイアビリティを求める方にも馴染みやすいネックシェイプです。
Burstbucker 61は、ヴィンテージ系ハムバッカーらしいニュアンスを持ちながら、ハイミッドにしっかりとした存在感があり、レスポールの太さを保ったまま歯切れ良く前へ抜けてくれるピックアップです。
フロントではマホガニーらしい甘さと粘りを感じさせつつ、輪郭が必要以上に丸くならず、コードでも各弦の分離感を保ったサウンド。
リアではさらにアタックが明瞭になり、ハイミッドの押し出しとキレの良さが際立ちます。
アンプを軽くクランチさせればコードが気持ち良く前へ飛び、ゲインを上げればレスポールらしい厚みを残したまま、ロックらしいエッジの効いたサウンドへ。
Unburstだからこそ材の表情が隠れることなく楽しめ、見る方向によって杢が浮いたり消えたりする様子には、写真だけでもかなり惹きつけられるものがあります。
【SPEC】
Body Material:Mahogany
Body Top Material:AA Figured Maple
Weight Relief:None
Finish:Gloss Nitrocellulose Lacquer
Neck Material:Mahogany
Neck Profile:Slim Taper
Fingerboard Material:Rosewood
Fingerboard Radius:12" / 304.8mm
Scale Length:24.75" / 62.865cm
Number of Frets:22
Frets:Medium Jumbo
Neck Pickup:Burstbucker 61R
Bridge Pickup:Burstbucker 61T
Controls:2 Volumes, 2 Tones & Toggle Switch (Hand-wired with Orange Drop Capacitors)
Weight:4.18kg
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