1833年の創業以来、アコースティックギターの歴史と共に歩んできたMartin社。中でも戦前、いわゆるPre-War期に製作された1930〜40年代のMartinギターは、現在でもヴィンテージアコースティックギターの最高峰として、世界中のプレイヤー、コレクターから特別な評価を受け続けています。
今回ご紹介させていただきますのは、1937年製のMARTIN 00-18H Sunburstです。00-18Hは1935年から1941年までの僅かな期間に計255本のみ製作された非常に希少なモデルで、1937年にはそのうち128本が製作されたとされております。通常の00-18とは異なり、モデル名末尾の“H”が示す通り、ハワイアンスタイル、すなわちスライド奏法を前提とした特別仕様の一本です。
現在市場に出てくる00-18Hの多くは、後年にネックリセットやナット、サドル、ブリッジ周りなどのリペアを施し、通常演奏向けのスパニッシュスタイルへコンバージョンされた個体が中心です。もちろんそれらにも大きな魅力はございますが、今回の個体はハワイアン仕様としての個性を色濃く残している点が非常に大きなポイント。当時Martinがこのモデルに込めた本来の鳴り、スライドでの伸び、ラップスタイル的な音像を味わえるという意味でも、単なる希少モデル以上の価値を持った一本と言えるでしょう。
スペックにつきましては、ボディトップに木目の整ったアディロンダックスプルース、サイド&バックにはマホガニー、ネックにもマホガニーを採用。指板とブリッジには、近年ではまずお目にかかれないような黒々とした密度の高いエボニーを使用し、ヘッド突板にはハカランダが採用されています。フィニッシュはShade Top、いわゆるサンバースト仕上げのニトロセルロースラッカー。約90年近い時を経た現在でも色味がしっかりと残っており、新品の再現モデルでは決して出すことのできない1930年代オリジナルならではの空気感が漂います。
構造面では、約632mmスケール、約47mmナット幅、スロッテッドヘッド、12フレットジョイント、スキャロップドXブレーシングを採用。さらにハワイアン仕様らしく、フラットな指板、ストレートサドル、バーフレット、高めに設定された弦高など、通常のスパニッシュスタイルとは異なる独自の設計が随所に見受けられます。現在の弦高は12フレット上で1弦側約3.5mm、6弦側約4.0mmとなっており、スライド奏法において非常に気持ちよく音を伸ばせるセッティングです。
そして何より特筆すべきは、そのサウンドです。まず一音鳴らした瞬間に、00サイズという小ぶりなボディから出ているとは思えない音圧に驚かされます。単に音量が大きいというだけではなく、長い年月をかけて完全に鳴り切ったような、深く、乾いていて、それでいて太い響き。近年製のギターではなかなか味わえない、まさに“仕上がりきった”プリウォーMartinならではのサウンドです。
スライドで弾いた際のサスティーンは非常に豊かで、音の芯がスッと前に出ながら、倍音がゆっくりと空間に広がっていきます。中低域にはしっかりとした厚みがあり、ハワイアン、ブルース、カントリー、オールドタイム、ルーツミュージックとの相性は抜群です。ハワイアン仕様というと用途が限られる印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、スライド専用機として見れば極上の鳴りを持ち、通常演奏においてもプリウォーMartin特有の太いレスポンスと立ち上がりを十分に楽しめるコンディションです。
状態につきましては、約90年近い歴史を持つヴィンテージギターとして見れば、歴代オーナー様に丁寧に扱われてきたことが感じられるコンディションです。全体的な使用感、オーバーラッカー、ペグ交換、ペグノブの若干の傾き、ナット交換、ピックガードシュリンク、サドル高さ補正、ボディバック&サイドの割れ補修、ボディバック内部の一部パッチ当て、ボディトップの若干のふくらみ、エンドピン&ブリッジピン交換、ブリッジ付け直し等が見受けられます。
上記の通りリペア歴はございますが、この年代のMartinとしては実用面を大きく損なうような問題はなく、演奏可能な状態をしっかりと保っております。ネックにつきましては若干の順反りと現在の弦高設定こそございますが、スライド奏法には非常に相性が良く、通常演奏も可能な状態です。加えて、希少なバーフレットはオリジナルを保っている点も大きな魅力です。付属品は近年製の丈夫なハードケースとなります。
00-18Hという製作本数の少ないモデルであること、1937年製のサンバーストであること、ハワイアンスタイルとしての個性を残していること、そして今なお音楽的に使える状態を保っていること。この条件が揃った個体は、探して簡単に見つかるものではございません。
現在、プリウォーMartinは世界的に高騰が続いており、良質な個体は国内外を問わず非常に手に入りづらくなっております。今回の00-18Hにつきましては、前所有者様のご厚意もあり、内容を考えると非常に魅力的な価格にてご案内できる運びとなりました。「いつかはプリウォーMartinを」とお考えだった方にとって、現実的に手が届く価格帯でこの年代、この希少性、このサウンドを味わえる機会は決して多くございません。
抱えやすい00サイズながら、鳴らした瞬間に空気が変わるような圧倒的な存在感。1937年という時代をそのまま閉じ込めたかのような、深く、太く、枯れた極上のサウンド。歴史的価値、希少性、サウンド、そしてプレイヤーを惹き込む説得力。そのすべてを兼ね備えた、まさに特別なプリウォーMartinです。是非この機会をお見逃しなく。
※ネット処理をなるべく迅速に行うように心がけておりますが、既に売約済みになっている可能性もございますので、必ず在庫確認のご連絡を頂けますようお願い致します。
为了获得更好的访问体验
请点击右上角按钮
选择“在浏览器中打开”