Fenderが1961年に発表したBASS VIは、6弦ベースという独自の立ち位置を持つ、フェンダー史の中でも特に個性的なモデルです。チューニングはギターと同じEADGBEながら、通常のギターより1オクターブ低い設定となり、ベースの低域とギター的なコードワーク、メロディアスなフレージングを一本で行き来できる非常にユニークな存在です。その特異なキャラクターは、単なる変わり種に留まらず、Jack Bruce、John Lennon、George Harrison、Robert Smithなど、時代を代表するプレイヤーたちにも愛用されてきました。いわゆる“ビートルズギア”としての人気はもちろん、近年ではオルタナティブ、シューゲイズ、ポストロック、アンビエント、レコーディング用途などでも改めて評価されている一本です。
今回ご紹介させて頂きますのは、そのBASS VIをFender Custom Shopがリミテッドモデルとして製作した2024年製の一本です。通常ラインのBASS VIとは明らかに一線を画す、カスタムショップならではの完成度を持った個体で、国内入荷数も非常に少ない希少な仕様となります。特筆すべきは、やはりこのSage Green Metallicのルックスです。アイスブルーメタリックが長年の経年変化によってグリーン味を帯びたかのような、何とも言えないヴィンテージライクなカラーリングに、Journeyman Relicの程よいウェザーチェックやパーツエイジングが重なり、ただ綺麗なだけではない“使い込まれた名機”のようなオーラを放っています。新品同様の個体では出せない雰囲気を持ちながら、過度なレリックではないため、ステージでもスタジオでも非常に扱いやすい一本です。
こちらのスペックにつきましては、ボディにアルダー、ネックにクォーターソーンのメイプル、指板にはスラブ貼りのローズウッドを採用。色濃く目の詰まったローズウッド指板、柾目取りのメイプルネックなど、各部にカスタムショップらしい上質なマテリアルが使用されています。スケールは約760mm、ナット幅は約39mm、指板Rはヴィンテージライクな7.25R、フレットはミディアムヴィンテージサイズの21フレット、グリップは60’s Cシェイプを採用。ギターから持ち替えても違和感の少ない握り込みやすさを持ちながら、BASS VIらしい芯のある低域もしっかりと支える、絶妙なバランスに仕上げられています。パーツ面では、ヘッド裏にCustom Shop Limited Editionロゴ、FENDER刻印入りクルーソンタイプペグ、ヴィンテージクレイドット、CZ+6桁シリアルとLimited Edition刻印入りのジョイントプレートを装備。ブリッジはアジャスタブルタイプのJG/JMスタイル、フローティングトレモロ、ミュートを備え、コントロールは各ピックアップのON/OFF、ローカットスイッチ、マスターヴォリューム、マスタートーンという、BASS VIらしい自由度の高い仕様です。
ピックアップには62’s Jaguar Flat Mag Relicをフロント、センター、リアに搭載。BASS VI特有のゴリッとした低域、シングルコイルならではの鋭いアタック、そしてローカットを絡めた際のタイトでギラついた質感まで、生々しくアウトプットしてくれます。サウンドにつきましては、通常のジャズベースやプレシジョンベースとは全く異なるキャラクターです。5〜6弦側ではしっかりとした芯と粘りのあるボトムを持ち、バンドアンサンブルの低域を支えることができます。一方で高音弦側では、ベースでは得難いコード感やメロディの分離感があり、ギターの1オクターブ下でリフを重ねるような使い方にも抜群にハマります。特にレコーディングでは、通常のベースラインに重ねて低域に輪郭を足したり、ギターリフの下にユニゾンで重ねて厚みを出したり、クリーン〜軽いドライブでアルペジオやコードを鳴らしたりと、一本あるだけでアレンジの幅を大きく広げてくれる存在です。ライブでも、ギタリストが持ち替えて低域を補強する使い方、ベーシストがメロディアスなフレーズを担う使い方など、通常のベースでは出せない個性をしっかりと演出できます。
BASS VIは「気になるけれど使い道が難しそう」と思われる方も多いモデルですが、実際には決まった正解がないからこそ、プレイヤーの発想次第で大きく化ける楽器です。王道のビートルズ系サウンドはもちろん、オルタナ、シューゲイズ、インディーロック、映画音楽的な低音のレイヤー、あるいは現代的な宅録やアレンジの飛び道具としても非常におすすめ度の高い一本です。
状態につきましては、Journeyman Relic仕様のため外観判断は難しい部分もございますが、後付けと思われる目立つダメージはほとんど確認できず、使用感も非常に少ない優れたコンディションをキープしております。パーツ交換もなく、現状フルオリジナルの状態です。ネック状態も良好で、演奏上の問題点は見当たりません。トラスロッドの余裕も確認済みで、フレットにつきましても9割以上残っており、今後も安心してお使い頂けます。重量は約4.06kgと、この仕様のBASS VIとしても扱いやすいバランスです。付属品は認定書、ストラップ、書類一式、ブラックトーレックスのオリジナルハードケースとなります。
カスタムショップ製BASS VI自体が市場で多く出回るモデルではなく、さらにリミテッド仕様、Sage Green Metallic、Journeyman Relic、使用感の少ない良好コンディションという条件が揃った個体は、探してすぐに見つかるものではございません。新品時の上代も非常に高額なカスタムショップ製リミテッドモデルでありながら、今回は前所有者様のご厚意もあり、内容を考えると非常に魅力的な価格にてご案内させて頂いております。普通のベースでは物足りない方、ギターとベースの中間にある独自の表現を求める方、レコーディングで低域のレイヤーを増やしたい方、そしてBASS VIをお探しだった方には、まさに見逃せない一本です。カスタムショップ製ならではの完成度、リミテッドモデルとしての希少性、そしてBASS VIという楽器そのものが持つ唯一無二の個性。その全てを一度に味わえる、非常におすすめ度の高い一本です。是非この機会をお見逃しなく。
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