アイバニーズの80年代を牽引してきたMCシリーズ。現在ジャパン・ヴィンテージとして高い評価を得ている同シリーズのトップ・モデルにつけられる型番が "924" だった訳ですが、90年代を担う次世代型「サウンド・ギア」SR の企画の際にも、シリーズ最上位モデルには慣習に倣って 924 の型番が振られることになりました。それが本機、SR924 です。87年頃、当初は中堅機からスタートした SR でしたが、徐々にモデル数を増やしていき、88年に満を辞して登場したスルーネックの最上位モデルになります。そしてそれによりMCシリーズは廃番になりました。このモデルが存在することで、MC から SRへの継承がスムーズに行われたことになります。
しかし、興味深いことに SR924 はなぜか他のSRシリーズと形状が異なりました。通常のSRよりホーンが短く、ボディ下部にボリュームがあります。 ボディ・バランス的には当時隆盛を誇っていたスペクターや新興のワーウィックに近いもので、ハイエンドのトレンドに寄せた物だと言えるでしょう。ボディ形状は結構複雑で、三次曲面に近い高度な加工が施されています。
ピックアップはディマジオ製のカスタムで、"IBZ USA" と名付けられました。ディマジオのモデルPやJと比べて直流抵抗値が明らかに低く、ヴィンテージに近いオーソドックスなPUでした。J はもちろんハムキャンセリングで、単独使用でもハムノイズはありません。これをあえてパッシブで使用しているところが特徴で、アクティブ全盛期でこの判断はある意味自信の表れと言えるでしょう。もう一つの特徴は驚くほど質量のあるブリッジです。一見コンパクトなのですがずっしりと重いそれは、隣接するサドルに接せず、土台に直接固定する設計になっています。 弦の共鳴を嫌ったコンセプトは後のモノレール・ブリッジへと繋がっていきます。シンプルでもの凄くガッチリしたブリッジです。
本機は90年製と思われる、珍しいパドゥク・ボディの正式名称 "SR924PD" で、国内カタログには記載のないモデルです。輸出仕様などではなさそうですが、比較的レアなモデルと言って良いでしょう。エボニー指板と同じくエボニーの突板によるヘッドで引き締まったルックスの美しいベースです。
音色も同様で重心の低くて重い、それでいてスピードの速いところがこの楽器の美点です。硬質なボディ材とSRにしては幅のあるネックシェイプ、質量のあるブリッジによるところが大きく、それを素直に出力する電装系も素晴らしいです。
部分的な塗装浮きや剥がれ、小傷が気になる程度で、年式を考慮すればコンディションもまずまず良好です。各部調整機能もキチンと機能します。弦高は、極端なローアクションを目指さなければ、何も手を入れる必要はないと思います。
純正三角バッグ付属。
Body material: Padouk wings w/ arched top & ebony headstock
Neck joint: Neck-thru
Bridge: HB-4 (fixed) (19mm string spacing)
Neck material: 5-piece maple/ walnut
Scale length: 864mm / 34"
Fingerboard material: Ebony
Fingerboard inlays: Off-set oval mother of pearl at 12th fret
Frets: 24 / medium nickel silver
Machine heads: Gotoh
Bridge pickup: IBZ/USA C1 P passive
Neck pickup: IBZ/USA C1 J passive
Controls: Master volume / pickup balancer / Tone
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