「Fender（フェンダー）」ギターのステューデントモデルとして親しまれている、2ピックアップモデルの『Duo Sonic（デュオソニック）』とともに1956年に登場した1ピックアップモデルの『Musicmaster（ミュージックマスター）』。小ぶりなボディにはレギュラーモデルと遜色ないオリジナルパーツが組み込まれ、単なる入門機に留まらないクオリティとサウンドを備えたモデルとして、現在ではヴィンテージギターファンからも高い評価を受けています。
今回入荷したのは、1966年頃に「Musicmaster II」名義で生産されていた個体。近年ではオリジナル度の高い個体の流通が著しく減少しており、良好なコンディションを保った1本は市場でもなかなか出会えない存在となっています。
【ボディ】
重量は約3.0kg。同時期のMustang（ムスタング）にも採用されていた、ポップで存在感のあるブルーカラー（ラッカーフィニッシュ）が大きな魅力です。褪色は控えめで、当時の鮮やかな色味をしっかりキープしている点は特筆もの。ウェザーチェックやカールコードによる焼け跡、打痕や引っ掻きキズ、金属パーツのくすみなど、ヴィンテージならではの使用感は見られますが、約60年近い歳月を考慮すると非常に良好なコンディションを保っています。
【ネック】
ネック材はメイプル。フィンガーボード材はローズウッド。ヘッド裏を中心にウェザーチェック、デカールのわずかなかすれ、ネック裏の塗装剥げや小さな打痕は見られますが、ボディ同様かなりきれいなコンディションといえるでしょう。チューナーはやや巻きの硬さを感じるものの、動作は安定しており実用上問題ありません。フレット／ナットに若干の消耗は見られますが、プレイアビリティは良好です。ヘッド厚15.7mm。ナット幅37.2mm。22-1/2インチスケール／ナローピッチという小ぶりな設計ながら、ネックシェイプ自体は意外にも芯があり、手に取った際の安心感があります。
【電装系】
コントロールはと共通するシンプルな1ボリューム／1トーン。ピックアップおよび配線類は当時のオリジナルコンディションを良好に維持しています。サウンドは、短いスケールならではのラフさはあるものの、適度に枯れたヴィンテージ感が印象的。低音はタイトで輪郭が明瞭、中高域には60年代フェンダーらしい乾いた抜けがあり、クリーンでは軽やかで素直、ドライブ時にはラフで味のある表情を見せます。ブルース、ガレージ、インディ、オルタナティブはもちろん、録音用途で「被らない音色」を求めるプレイヤーにもおすすめできるキャラクターです。
付属品：Fenderシルバーハードケース
Weight：3.0kg
Neck Material／Scale Length：Maple 1 piece／571.5mm（22-1/2inch）
Fingerboard／Fret Marker／Radius：Rosewood round laminate／Pearloid dot／184.15mm（7.25inch）
Nut Width／Fret Size（width）：37.2mm／2.1mm， 21 Fret
Neck Thickness（1F／7F／12F）：21.0mm／22.5mm／23.0mm
Pickup：Fender Single Coil for Musicmaster／5.6kΩ
※ピックアップの直流抵抗値はコントロール部を通しての計測となります
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