1984年製 EL TORO-E。EL TOROは1983年に加わった、L-1000、L-2000につぐプロフェッショナル向けの第3のベースとして企画されました。SB-1及びSB-2は、廉価モデルの位置付けでしたので、EL TORO は第3のベースなのです。
新設計の細身のハムバッカーが特徴で、L-2000を全体にスリムにしたような形状とともに、80年代のトレンドである新興勢力のスペクターやスタインバーガーといったライバル達と渡り合おうとしたのだと考えられます。
一方でフェンダー等の老舗を見据え、他方で新興勢にも睨みをきかす、またまだレオ・フェンダーも元気があったのでしょうね。
ただこのモデルのセールスはあまり芳しくなく、公式には 91年ディスコンとなっていますが、実際には88年頃からほぼ製作されていなかったようで、総生産本数も1,200本に満たなかったとの記録があります。G&L の楽器が定期的に輸入されるようになる頃には、ほぼ終わっていたので、日本国内では殆ど知名度のない機種で、とてもレアな、再評価待ちのベースと言えましょう。
電装の設計思想は L-2000E に近いですが、同じではありません。コンパネに割り振られたノブやスイッチの機能は基本的に同じですが、EL TORO-E では、中央の赤いスイッチが、シリパラ等ではなく、俗にいう「ターボ・スイッチ」で、二つのデュアル・コイルPU が直列に繋がります。その際、フロント側のデュアルコイルには大きめのコンデンサが挿入されているのが特徴です。つまりフロントPUはかなり「こもった」状態になっている訳です。LOWしかない、ような状態です。それとリアPUが直列に繋がり、ひとつのPU として機能させるのです。レオ・フェンダーはこれを「ローブースト・ハムバッキング」と呼んでいました。テキストにすると何か凄くないですか?当然ながら、このモードでは、ピックアップ・セレクターは機能しません。
基本的にスリムなMFDピックアップはL-2000のものよりも高域が伸びています。キレの良いノーマル・モードと、ローブースト・ハムバッキング・モード…しかもこれらはパッシブでの話です。そして、全域に力強さが加わるアクティブ・モードもあるんです!
…もの凄いパンチのあるベースになっています。ハイカットやローカットのトーン・コントロール・ノブを駆使しないと暴れ過ぎるくらいの仕上がりです。まさに雄牛!EL TOROと名付けられたのも納得の一本です。
年式を考慮しますと、コンディションは上々の良個体です。各部調整機能はきちんと機能します。
正直ポンと手渡されても、どう扱ってよいのか、よく分からない楽器だと思います。アレンビックなんかもそうですよね(笑)。G&L は基本、深いんです。レオ・フェンダーへの考察が問われるのです。愛と言い換えても良いかもしれません。…だからこそ、当店です!EL TORO-E の使い方をきちんと奏者にレクチャー出来る店は多分アメリカにもあまり無いだろうな、と思いながら商品説明させていただきました。オススメです。
少し後年とおもわれる純正ハードケース付属。
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