1983年製 バレット・ベース。この機種名のカタカナ表記は毎回悩むところですが、yahooでのヒット件数が僅かに多かったので、バレットとさせていただきます。
「品質に関して妥協のない、お手頃価格のベース」として80年代初めの数年間、CBSフェンダーの最後期のエントリー・モデルとして存在していました。30インチ・スケールの B-30 と 34インチ・スケールの B-34 の二本立てで、本機は34インチ・スケール版です。標準カラーのレッド。
楽器は年式を考慮すればまずまずのコンディションで、演奏性も良好。見た目の良さだけでなく、きちんとしたセッティングを維持出来ている事が、この手の楽器では特に重要なので、その意味では二重丸の個体と言えましょう。80年代前半のちょっと変わったネック・グリップは、この機種にも継承されてしまっていて、フレットエッジ部分が平たいというか、尖っているというか、60年代前半のプレベのグリップをやや誇張したかのようなグリップが特徴です。
塗膜の平滑さや発色の良さ等を狙って塗り重ねることをしない、廉価版の塗装故、塗膜が薄く、結果音が良くなってしまう、というフェンダー廉価版マジックはこの機種でも有効で、誰もが弾けば「意外に良いですね！」となります。この個体は質量のある バダスII に ブリッジが交換されているので、さらにその傾向が強いです。また、標準カラーが赤とか青なのは、木目の隠蔽力が強いからで、「ハードウッド」としか記載のないボディ材（おそらく余剰材を適宜使用）という都合があったからでしょう。ピックガードがペラッペラで、ジャックを刺して、力が加わると、割れそうになります。現在はオリジナルに戻してありますが、全オーナーが普通の厚みのあるピックガードを作って下さったので、おまけとして付属します。交換した方が実用的です。
いかにも廉価版なオリジナル・ハードケース付属。
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