2011年に世界限定 175本で生産されたD-21をベースにしたカスタムショップ製モデル。
トップ アディロン、サイド&バック マダガスカル、
指板もマダガスカル、Tバーロッドの希少性の高いギターを、
中古品として入荷致しました。
スペックや状態に関しましては後程記載するとして、
木材の組み合わせのユニークさや、希少性からなる音色がたまりません。
万能とまではいきませんが、ストロークや指弾きで弾いた際の
なんとも言えない豊かで広がりのある低音と、少し泥臭さと粗々しさのあるサウンドが、
普段の何気ない生活にも根付くような音色です。
個人的には好きな音色です。
【 モデルの概要】
Martin CS21-11は、Martinカスタムショップが2011年に発表した
ドレッドノート型(14フレットジョイント)の限定アコースティックギターです。
50?60年代のD-21をモチーフにしつつ、戦前スタイルの意匠を取り入れた外観で、
サンバースト仕上げの個体も存在しました。
世界で約175本のみ製作され、日本国内でも極めて入手困難なモデルです。
ボディ材:トップは厳選されたアディロンダック・スプルース単板、
サイド/バックにはマダガスカル産ローズウッド単板を使用。
伝統的なD-21を踏襲した木材構成ですが、各木材は音響特性と軽量さを両立するものが選ばれています。
ブレーシング:1940年代スタイルの後方シフト(リアシフト)Xブレーシングを採用。
ゴールデンエラ期と同様に5/16インチ幅のスキャロップド加工が施され、
ブリッジプレートも小型のメイプル製になるなどAuthenticシリーズに匹敵する仕様です。
ヴィンテージ仕様のブレーシング配置により、ドレッドノートながら繊細なタッチにも高い応答性を発揮します。
ネック:ネック材には軽量なスペイン産シダー(スペイン杉)を採用し、
職人の手作業で特殊シェイプに仕上げられています。
グリップ形状は薄めのモダンCシェイプに近く、
トラスロッドの代わりにヴィンテージ仕様のT字型スチールバーを
内蔵することで軽量化と剛性確保を両立しています。
指板・ブリッジ:ともにマダガスカル・ローズウッド製。
指板ポジションにはスタイル21伝統のアバロン(螺鈿)製スクエアインレイが埋め込まれ、
ブリッジはベリー型(Belly)のデザインです。
ナットおよびサドルには牛骨が使われ、ブリッジピンとエンドピンも白蝶貝ドット入りの牛骨製となっています。
スケール長とフレット:ロングスケールの25.4インチ(約645mm)で、
14フレットジョイント/全20フレット仕様です。ナット幅は1-3/4インチ(約44.5mm)と
ややワイドで、ブリッジ側の弦間隔は約59mmとされています。
これによりフィンガースタイルからストロークまで幅広い演奏に対応します。
装飾:外周のバインディングおよびヒールキャップ、
エンドピースには木目の美しいフレイム・ハワイアンコア材があしらわれ、高級感を演出しています。
サウンドホール・ロゼッタは3リングで中央にヘリンボーン柄を組み込み、
ヘッドストックのロゴはヴィンテージ風のシルバー・デカール仕様となっています。
全体的にスタイル21に基づく控えめながら上質な装飾でまとまり、
往年のMartinギターを彷彿とさせる仕上がりです。
ペグ(チューナー):ゴールドメッキ仕上げのオープンバック・チューナーを搭載し、
信頼性の高いWaverly製を採用しています。
各ペグのボタン(つまみ)にはスネークウッド(ヘビ杢柄の木製)素材を用いる凝った仕様で、
金属製ノブに比べ軽量化にも寄与しています。
【限定生産の背景と「CS」シリーズ】
CS21-11は2011年に世界約175本の限定生産で発売されました。
モデル名の「CS」はCustom Shop(カスタムショップ)の略であり、
「CS21-11」は「カスタムショップ製D-21スタイルの2011年モデル」という位置付けになります。
Martin社のカスタムショップが独自企画した初の限定シリーズ(CSシリーズ)の一つで、
同時発表されたCS-35-11と共にカスタムショップ限定モデル第1弾として登場しました。
それまでMartinカスタムショップは顧客からの特注オーダー品を製作するのが主でしたが、
このCSシリーズでは伝統と革新を融合したオリジナル設計のモデルを少数生産する新たな試みがなされています。
発表当時、本モデルの設計コンセプトは「可能な限り軽量で、
反応の良いドレッドノート」を実現することにありました。
Vice Presidentであるフレッド・グリーン氏の主導により、
カスタムショップの在庫するマダガスカル・ローズウッド材すべてを計量し、
その中から最も軽量な上位約10%のみを惜しみなく使用しています。
ネック材に軽量なスペイン杉を選択し、トラスロッドを敢えて調整機構のないTバーに置き換えるなど、
各部品の重量削減を徹底しました。接着には伝統的なニカワ(ハイドグルー)を用い、
ブレーシング構造も1940年頃のマーティン伝統の様式を踏襲することで、
わずかなタッチでも豊かに響く抜群のレスポンスを実現しています。
【商品の状態について】
本器は2011年製のモデルとなっており、
年式相応のごく薄い擦り傷や使用感は見受けられますが、
大きく目立つ傷や打痕はございません。
全体的には丁寧に使われてきたことが伝わる良好なコンディションを保っています。
【ネック・フレット】
ネックはやや順反りの状態で、経年による元起きが見られます。
ただし演奏上の大きな支障は現状ございません。
フレットの残量は全体的に約8割ほどで、まだまだ十分にお使いいただけます。
【弦高・サドル・ナット】
6弦に若干のビビりがあり、強めに弾くと少しビビりを感じます。
弦高は12フレット上で、6弦側:約2.5mm、1弦側:約1.9mmとなっており、
指弾きからストロークまで幅広いプレイスタイルに対応可能なバランスの取れたセッティングです。
サドルはすでに削りきられており、現状での調整幅はありません。
弦高調整をご希望の場合はサドル交換が必要です。
【その他】
エンドピンはMartin純正品が装着されていますが、本器オリジナルのものではございません。
演奏や音質には影響はなく、しっかりと固定されております。
为了获得更好的访问体验
请点击右上角按钮
选择“在浏览器中打开”