【状態】
バック左下部に9cm程、右上部22cm程の割れ補修があり、トップの下部にも5cm程の割れ補修がございます。いずれも接着材を流して補修が行われており割れ止めは打たれていませんが現状割れの再発は無くしかり補修がされております。
また、4、5、6弦のブリッジピン穴の径が若干広がっているのか、ブリッジピンが抜けやすくなっています。通常通り弦を張れば問題なく使用できますが、気になる方は少し大きめのブリッジピンへの交換をおススメします。
ネックは概ねまっすぐで6弦12フレット上約2.5mm、1弦12フレット上約1.6mmと弾きやすい弦高を保っています。サドル高は6弦下約2.0mm、1弦下約1.5mmと低めとなっています。
いずれにしても今から85年前に製造されたとは思えない程、各所しっかりと調整がされた個体。小さなボディから生まれる大きなサウンド、存在感のある佇まい。ロマンすらも感じてしまう一本です。
【5-17】
Style17はMartin黎明期の1850年代から名前のみMartinカタログリストに存在していた当時最も安価でシンプルなモデルでした。
当初はトップ材にスプルースを使用していましたが月日と共にコストを抑えることに重点を置かれたStyleとなり上位モデルのStyle18やStyle28と比較すると頻繁に仕様変更がなされ、MartinGuitarの創意工夫が詰め込まれたStyleとも言えます。
多くの仕様変更の結果で1922年トップ材をマホガニーにすることでStyle17は0サイズ,00サイズを中心に1960年頃まで非常に高い人気を誇るモデルとなり、コンスタントに生産が行われます。
その中でも最も小さくコンパクトでかわいらしい見た目を持ったSize 5のオールマホガニーモデルである5-17は、
1912年のプロトタイプ1本の生産を始めとしてオリジナル5-17は最大でも1937年の年間生産68本、1912年から1943年までで通産232本しか製造されていない5-17。この個体は1940年製。同年の5-17の製造は25本のみの。現在ここにあるだけでも感動をしてしまいます。
当時は指板、ブリッジも当たり前にブラジリアンローズウッドが使用されていて今この仕様を考えると間違ってもコストパフォーマンスモデルとは言えない贅沢な造りになっています。
その他の特徴としては、エボニーナット、バーフレット、ダブテイルネックジョイントにネック・ボディ全体の艶ありグロスフィニッシュ(経年により艶は無し)、スキャロップドXブレーシング、ロングサドルにストレートブリッジが挙げられます。
年式的に当時他の主となるモデルはバーフレットから現代的なTフレットに仕様が変更されている年代ですので、バーフレットの余剰分があったかもしくはこのネック自体は1934年以前に作られ、後に1940年にボディとジョイントが施され完成したのかもしれません。
いずれにしても細部を見ているだけで85年の歴史を想像してしまう魅力的な個体。演奏だけでなくいろいろな楽しみ方が出来てしまいます。
弦長約545mmと通常よりも凡そ10㎝程短い弦長ですのでチューニングの安定まで何度かチューニングを要し、ボディサイズも非常に小さいサイズですので小さいが故の演奏面での慣れが必要になりますが、慣れれば非常に弾き易く気軽に抱えることができ、なによりコンパクトなSize5ならではの魅力的なサウンドを楽しむことが出来ます。
本当に希少な5-17を是非この機会にお手に取って見てください!
【仕様】
Body Size:Size5
Top Material:Solid Mahogany
Beacing :Scalopped X Bracing
Back Material:Solid Mahogany
Side Material:Solid Mahogany
Neck Shape:Size5 LowOval(Soft V)
Fret Style:Bar Fret
Fingerboard Material:Brazilian Rosewood
Fingerboard Pearl:Abalon Diamond&Squares
Scale Length:約543mm
Fingerboard Width at Nut:約41mm(実測値)
Nut Material:Ebony
Saddle Material:Bone w/Glued in Long Saddle
Bridge Material:Brazilian Rosewood
HeadPlate:Brazilian Rosewood
Tuning Machines:Open Gear w/Ivory Button
Size5専用Martinオリジナルハードケース付属
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