1930年代にアメリカのトランペット奏者、エルデン・ベンジが創業した歴史ある金管楽器メーカーBENGE(ベンジ)。
アメリカに比べると流通量が少なく、日本では一般的ポケットトランペットの製造が有名かもしれません。
本国の楽器メーカー吸収合併や買収の中でベンジはブランド名だけの存在になってしまいましたが、紆余曲折に満ちたBENGEの歴史の中ではアメリカ金管史を語る上では外せない“Kanstul”の創業者である名工ジグマント・カンスタルがベンジブランドを統括していた時代もあり、現在の金管楽器の礎を築いたと言っても過言ではありません。
今回中古入荷したのは1980年代前半に製造されたと思われる"LOS ANGELES CALIF"と刻印の入った通称LAベンジのフリューゲルホルン。
イエローブラスに銀メッキを施したボディ、3ベル(実寸約151ｍｍ)、MLボア(実寸約11.6ｍｍ)採用。
1番管と3番管にはトリガーが付けられていますが、3番のオートトリガーは後付けされているようで、レバーの根元溶接個所に一部メッキが剥げてブラスの地肌が露出しています。
小傷、ぽつぽつとした銀メッキの荒れ、ベルのU字部に凹み出しの修正らしき痕が残っていたりと使用感はあるものの、外観を損なうようなパッと目に付く大きなダメージはなく比較的クリーンな印象です。
クリーニング、不良軟物交換、メンテナンス済。
ピストンや抜差し管等の可動部もストレスなく動きプレイアビリティは良好です。
レザーの剥がれ等使用感がありますが、純正のハードケースが付属します。
サウンドはもちろんのこと、歴史に思いを馳せて在りし日のアメリカの空気を感じる事のできるロマンの詰まった一本。
外観、演奏性共に年式を考慮しても非常に良好なコンディションです。
なかなか市場に出回る事もありませんので、気になる方はお早めにどうぞ！
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