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OM-28 Modern Deluxeは、ロングスケール仕様のOMサイズに
VTS加工されたシトカ・スプルース、カーボンブリッジプレート、
リキッドメタルピンを組み合わせ、
Martin社が持つ音響技術と設計思想の“今”を凝縮した一本です。
構造面・鳴り・演奏性、そのどれもが000とは一線を画し、
繊細な演奏に対しても芯のある倍音と明瞭なレスポンスで応える設計。
視覚・触覚・聴覚すべてを通して、
“モダンヴィンテージ”のコンセプトが息づいています。
【S/N 2931604の杢目について】
トップ材は、光を滑らせるように揺らめくフレイムグレインが、
整然と、けれど無機質にならずに広がっていて、
まるで楽器が「まだ鳴っていない音の記憶」を抱えているよう。
スプルースの中でも、これほど“流れるような表情”を見せる個体は少なく、
その静けさは、まるで張りつめた弓のような緊張感を宿しています。
バックには、深く緻密なインディアンローズウッドの木目が堂々と走り、
中央のバックストリップを挟むように左右対称の意志あるラインが並んでいます。
まるで、木が生きていた頃に空を見上げていた時間を、そのまま閉じ込めたような、
そんな“自然の記憶”が、しっかりとこのボディに刻まれています。
【S/N 2931604のサウンドについて】
-ストロークに関して-
軽やかで立ち上がりが鋭く、倍音が“粒立って”広がる印象。
ボディの反応が早く、弦を弾いた瞬間に空間へスッと響きが抜けていく。
ミドルの芯が細めな分、高音域のきらめきが際立ち、「拡がる余韻」よりも「瞬間のきらめき」に重心がある印象。
リズムの輪郭がくっきりしており、軽快なストロークでリードするスタイルと相性が良い個体。
-指弾きに関して-
繊細なタッチへの追従性が非常に高く、一本一本の音が“独立した響き”として聴こえる。
低音は少し控えめながら、倍音の層がしっかり感じられ、“細く長く残る余韻”が印象的。
000系統にありがちな“ぼやけ”がなく、ひとつひとつの音が澄んで見えるような描写力を持つ。
-弾き語りに関して-
声との馴染みは良好で、ギターの主張が強すぎず、歌の輪郭を包み込むような位置感。
特に高音域の粒立ちがボーカルの上に乗りすぎないため、
“ギターと歌が対話しているような関係”を築きやすい。
弾き語りとして使用するには非常に扱いやすく、ライブ〜レコーディングまで幅広く対応可能な万能感。
【Martin OM-28 Modern Deluxeについて】
伝統と革新が静かに交差する
Martinが次世代に贈る「Modern Deluxe」シリーズの中でも、
000ボディの精密さと、ドレッドノートと同じロングスケール（645mm）が融合したこのモデルは、
繊細さと伸びのあるテンション感が共存する、極めて完成度の高い一本です。
ルックス面では、ヴィンテージ・マーティンを想起させる
スクエア＆ダイヤモンドの指板インレイやアヴァロン製ヘッドロゴが品格を添え、
ゴールドのWaverly社製ペグ、グロス仕上げのヘッドプレートが持つ者の個性を引き立てます。
一方で内部構造には、現代マーティンの技術的粋を凝縮。
VTS（ヴィンテージトーンシステム）を施したシトカ・スプルーストップと
アディロンダック・ブレーシングが、「時を超えた鳴り」を生み出し、
カーボンブリッジプレートやリキッドメタルピンは、
タッチの細やかさを一音一音に忠実に伝えるための秘密兵器となっています。
サウンドは、中高域に艶と輪郭を持ち、
ややクセのある“熟成された倍音感”が、コードにもフィンガーピッキングにも
深みと奥行きを与えます。
OM特有のロングスケールが、より明瞭で張りのある発音を支え、
繊細な演奏にも“芯のある余韻”が宿るのが特長です。
また、非対称のネックシェイプ「ヴィンテージ・デラックス」は、
コードワークでもソロワークでも自然なフィット感を実現し、
弾くたびに“楽器と会話しているような”感覚を味わえます。
伝統を美しく継承しながら、
あくまで“いまを生きるプレイヤー”に向けて磨き上げられたOM-28 Modern Deluxe。
その響きと造形のすべてが、「新しいクラシック」を提案しています。
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