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まさに〈000の王冠〉とも言うべき、Martin 000-42。
1918年に誕生して以来、アコースティックギターの歴史のなかで最も象徴的な存在のひとつとして、
その名を刻み続けてきました。特に90年代、エリック・クラプトンが
MTVアンプラグドで奏でた音が再びアコギの時代を呼び戻したことは、
まさにこのモデルの持つ“音の魔法”が世界を動かした証。
【杢目に関して S/N 2907571】
今回ご紹介するこちらの個体。
トップのスプルース材は、程よい密度感とナチュラルな木肌の明るさが魅力的な一本。
ヘッドからブリッジにかけて、細かく均一に走る年輪が目に心地よく、
過度に派手すぎず、「王道の上質感」をしっかり感じさせてくれる表情。
特に光の角度によってうっすら浮かび上がる“ベアクロウ（クマの爪痕）”のようなわずかな表情変化が、
無垢材ならではの生命感をさりげなく主張してくれるのもポイント。
背面のローズウッドは
濃淡のコントラストがくっきりと美しい一本。
センターのウッドストリップ（バックストリップ）が真っ直ぐに通ることで、
ローズの深い色合いをさらに引き締めて見せている。
木目はまるで「静かに流れる木の時間」をそのまま閉じ込めたような表情。
縦にスッと伸びたストレートグレインが高級感を醸しつつ、
じっくり見ると左右で微妙に違うグラデーションがあって、そこもまた“天然木の一点もの感”。
全体としてこの個体は……
「派手すぎないけど、しっかり美しい」
「飾りじゃなく、“演奏者の道具”として映える木目」
そんな絶妙なバランス感を持ってる一本です。
【サウンドに関して S/N 2907571】
この000-42、まず弾いた瞬間に感じるのは、
「高域のきらびやかさ」と「前に抜ける音の立ち上がり」。
特にストローク時の明瞭なアタック感と、
フィンガーピッキングでの粒立ちの良さは、
まさに「000ボディ＋42スタイル」ならではのキャラクター。
音像としては、プレイヤーの耳元よりも“外に向かって広がる”ような鳴り方をしてくれるため、
録音時やPA環境下では、その存在感がより際立ってくれる印象です。
レスポンスはややタイトめで、ピッキングニュアンスが素直に出る分、演奏の表現力が問われる一本。
「軽いタッチで繊細に」「しっかり攻めて華やかに」
…どちらにも対応できるだけのダイナミクスはしっかり持っています。
フィンガースタイルでの澄んだ倍音感、
ストロークでの輪郭あるジャキっとした明るさ、
どちらにも応えてくれるバランスの良い一本です。
「繊細さ」「明瞭さ」「存在感」
これがこの000-42のサウンドキャラクター。
【モデル説明】
まさに〈000の王冠〉とも言うべき、Martin 000-42。
1918年に誕生して以来、アコースティックギターの歴史のなかで最も象徴的な存在のひとつとして、
その名を刻み続けてきました。特に90年代、エリック・クラプトンが
MTVアンプラグドで奏でた音が再びアコギの時代を呼び戻したことは、
まさにこのモデルの持つ“音の魔法”が世界を動かした証。
000サイズの持つ柔らかく繊細な鳴りに、Style 42が誇る贅沢な装飾が重なることで、
このモデルは“音楽を奏でる芸術品”としての側面を持ちます。
トップには厳選されたスプルース、サイドバックには気品あるローズウッドを使用。
煌びやかなスノーフレーク・インレイ、オープンバック・チューナー、
そして縦ロゴというビジュアルの凛々しさは、ただ弾くだけでなく“所有する喜び”をもたらしてくれます。
サウンド面では、スキャロップド・ブレーシングとハイパフォーマンステーパー・ネックによる高次元の演奏性を実現。細かなニュアンスの表現にも敏感で、繊細なタッチが“音楽の詩情”として響きます。
このギターは、ただの一本ではありません。
弾くたびに、自分自身の音楽が深まり、世界が広がる――
000-42とは、そういう“人生の扉を開くギター”です。
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