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645mmの弦長が奏でる、美しい高音の伸びとMartinから感じられる音の純朴さと存在感。
1902年、000-28として登場して以来、Martinの歴史とともに歩み続けてきたこのシリーズは、
時代を超えて愛され続ける名器です。クラプトンの『アンプラグド』を
きっかけに再評価された90年代以降、その立ち位置は不動のものとなりました。
OM-28は、000シリーズと同じボディシェイプを持ちつつ、
ドレッドノートと同じ645mmのロングスケールを採用。
これにより、適度な張り感とレスポンスの良さを併せ持ち、
よりエッジの効いた音色が特徴です。
【S/N 2936796 杢目に関して】
まずトップ材。きれいにまっすぐ揃ったシトカスプルースの柾目が、
気品と安定感を与えてくれる一本。
けっして派手ではないけれど、その繊細で真面目なラインの美しさは、
まるで“静かな貴族”という感じだ。
光が当たると、ごくほのかにゆらぐような表情もあり、
シンプルな中にしっかり“魅せる芯”を持っている。
特にバック材のローズウッドは、伝統と品格を備えつつも、
“個性”をはっきりと持った一本です。
一目で惹きつけられる独自の表情。
センターラインを軸に、左右で異なる木目の濃淡が広がり、
クラシカルな装飾の中に“芸術的なゆらぎ”を感じさせます。
まるで「整った秩序の中に、自由な美しさが宿っている」ような感覚。
一見すると正統派、でもよく見ると…このギターは確かに“選ばれた個体”です。
【S/N 2936796 サウンドに関して】
OMサイズらしい繊細さと、ローズウッドならではの深みが絶妙に溶け合った一本。
ストロークでは、ふわっとしたアタックの中に芯があり、
和音の輪郭が崩れず、どこまでも美しく響き渡る。
音に“抜け”と“まとまり”があり、少し強めに弾いても破綻しない安心感がある。
指弾きに切り替わると、その魅力はさらに際立つ。
ひと粒ひと粒の音が、まるで水面にそっと落ちる雨粒のように響いて、耳だけでなく心に染みわたる。
トップのスプルースがしっかりと反応して、倍音が豊かに広がる感覚は、まさに“OM-28らしさ”の真骨頂。
優しくも凛とした音。包み込むようなローの柔らかさと、すっと抜ける高音。
この音色は、「語る」よりも「寄り添う」。そんな、穏やかで誠実な響きを持っている一本です。
【Martin OM-28について】
繊細さと存在感を併せ持つ、弦のオーケストラ。
1902年、000-28として登場して以来、Martinの歴史とともに歩み続けてきたこのシリーズは、
時代を超えて愛され続ける名器です。クラプトンの『アンプラグド』を
きっかけに再評価された90年代以降、その立ち位置は不動のものとなりました。
OM-28は、000シリーズと同じボディシェイプを持ちつつ、
ドレッドノートと同じ645mmのロングスケールを採用。
これにより、適度な張り感とレスポンスの良さを併せ持ち、
よりエッジの効いた音色が特徴です。
サウンドの最大の魅力は、「各弦の主張が際立ちつつも、見事に調和していること」。
まるで弦1本1本が小さな楽団のように鳴り響き、それぞれのフレーズが独立しながらも
全体として美しいハーモニーを描き出します。
フィンガーピッキングでは、その繊細な輪郭が際立ち、
タッチの強弱や表現のニュアンスがそのまま音に変わります。
ストロークでは、煌びやかな高音と引き締まった低音がバランス良く響き、
弾き語りやソロギター問わず幅広い表現力を発揮。
このOM-28は、単なる“万能”という言葉では語り尽くせません。
それは、奏者の感情や想いをすくい取り、“音楽”として昇華してくれる存在。
まさに「弦に宿る芸術」とも言える一本です。
【2025年 新仕様について】
マーティンは2025年、スタンダードシリーズに大胆な進化をもたらしました。
その刷新は、単なるスペック変更ではなく、「伝統と革新の融合」という理念に基づいた、
美しき再定義とも言えるでしょう。
最大の注目は、新たに採用された“ゴールデンエラ・ブレーシング”──
シトカスプルース材に施されたこのブレイシング構造は、
往年のビンテージサウンドを現代に甦らせ、豊かな倍音と深いサスティンを生み出します。
まるで時間の層を纏ったようなその音色は、プレイヤーの感情に静かに、しかし深く共鳴します。
ネックシェイプには“GEモディファイド・ロウ・オーヴァル”が新たに設計され、
手に吸い付くようなフィット感と、ビンテージに通じる風合いを両立。
質量の最適化により、バランスの取れた鳴りとレスポンスを実現しました。
指板は“コンフォートエッジ”により、エッジの角が柔らかく処理され、
長時間の演奏でも自然な快適さが続きます。
ナット部の弦間隔も見直され、繊細なフィンガースタイルから力強いコードワークまで、
あらゆるプレイスタイルに優しく応えてくれるはずです。
これらのアップデートは、世界中のMartinファンや演奏家たちの声に
耳を傾け、丁寧に編み上げられたもの。
その結晶が、新たなスタンダードとして結実したのです。
「ヴィンテージの魂」と「現代の機能美」が出会った瞬間──
そこには、過去と未来をつなぐ“本物”だけが持つ、静かな感動が宿っています。
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