その美しいスノーフレークインレイと、朽ちることのない縦ロゴの威厳は、
40番台最古の格式を誇る“Style 42”の栄光そのもの。
その精神を受け継いだD-42は、
ブレーシングにフォワードシフテッド・スキャロップドを採用。
通常よりホール寄りに配されたXブレーシングが、
ダイナミックで息づかいを感じさせる音量感を可能にしています。
【S/N 2911378 木目に関して】
このD-42に使われたトップ材は、スプルースの中でも特に繊維の詰まりと
グレインの均一性が際立つ個体。
まっすぐ縦に走る木目は、まるで静かな冬の朝、白銀の森に差し込む光のラインのよう。
その美しさは、見た目だけでなく音響特性にも確かな恩恵をもたらしています。
この木目は、倍音のバランスに優れ、明瞭なアタックと繊細なサステインを
兼ね備えた反応性の高さを象徴するもの。
特にこの個体は、透明感を含んだ中高音域が際立ち、音の粒立ちが非常にクリアです。
サイドとバックを飾るのは、重厚で奥深い色合いを纏ったインディアン・ローズウッド。
その木目はゆるやかに、そして神秘的に揺れている。
一本一本の縞は、木の記憶そのものが、優雅な姿で表面に現れています。
表面の光沢は、艶やかすぎず、どこか控えめな深みを湛えていて、
その存在は“派手さではなく、格の違い”を感じさせてくれるもの。
この個体のローズウッドは特に、
・色の沈み具合と木目の主張のバランス、
・表面に現れる自然なムラと濃淡のニュアンスが絶妙で、
静かながらも視線を離せない凛とした気品を漂わせています。
【S/N 2911378 サウンドに関して】
Martin D-42の音色は、ひとことで言えば“きらめきと重厚感の共鳴”。
そのサウンドは、一音鳴らした瞬間から空気を変える、圧倒的な存在感を持っています。
高音域には、まるで雪の結晶が宙を舞っているような繊細さと煌びやかさがあり、
ただの明るさではない、“心が洗われるような透明感”が特徴です。
ピッキングした音の粒が空間にふわりと広がり、それが美しい余韻となって残ることで、
まるで音そのものが輝いているかのような印象を与えてくれます。
倍音の豊かさがこの透明感に奥行きをもたらし、結果として“耳で聴く音”ではなく、
“胸に届く音”として感じられる、そんな立体的な音像が魅力です。
一方、低音域には、ドレッドノートらしいふくよかさと深みがあります。
単なる迫力だけではなく温もりを帯びたような包容力のある低音で、
音の厚みと安心感を自然と生み出してくれます。
ストローク時には、高音の澄み渡るきらめきと低音の地鳴りのような力強さが見事に融合し、
音楽の中に広がりと深さをもたらします。
これぞまさに、「Martinの真骨頂」と
言いたくなるような、堂々たる鳴りです。
【D-42のモデル説明】
1995年。MTVアンプラグドでエリック・クラプトン氏が1939年製の000-42を演奏したその瞬間、
Style 42という伝説は、再び時代の表舞台に舞い戻りました。
その美しいスノーフレークインレイと、朽ちることのない縦ロゴの威厳は、
40番台最古の格式を誇る“Style 42”の栄光そのもの。
その精神を受け継いだD-42は、ブレーシングにフォワードシフテッド・スキャロップドを採用。
通常よりホール寄りに配されたXブレーシングが、ダイナミックで息づかいを感じさせる音量感を可能にしています。
使用される木材のグレードは、なんとフラッグシップであるD-45と遜色のないレベル。
外見の華美さに寄らず、“弾くための極上品”としてのバランス美を体現しています。
そして、何よりも心を奪うのは、主張しすぎず、それでいて確かな存在感を放つ、
指板とブリッジのスノーフレークインレイ。
見るたびに吸い込まれるようなアバロン装飾。
それは、単なる装飾ではなく、「あなたの音楽人生に寄り添う祈りの模様」です。
コードを鳴らせば、まるで空間全体が共鳴し、きらびやかな倍音が心の奥まで響く、
“鈴鳴り”と呼ばれるその音色は、きっとあなたの内面までも共鳴させてしまうでしょう。
D-42は、ただのギターではありません。
それは“美しさ”と“実用性”が完璧なまでに交差する、Martinのもう一つの完成形。
あなたの手元で、永遠に時を奏でる準備ができています。
【Style 42のみ存在するスノーフレーク・インレイ】
この意匠は、1890年代のマーティン社によって
初めて採用された、非常に歴史あるポジションマーク装飾です。
より高級感と芸術性を追求したマーティンは、
黒檀指板に雪の結晶を模した小さなインレイを追加することで、
視覚的にも音楽的にも「特別な存在感」を演出することに成功します。
初期の仕様では5・7・9フレットの3か所に
真珠貝素材のインレイが施され、1901年頃には12・15フレットにも拡張。
これが、のちに「スノーフレーク・インレイ」と呼ばれるマーティン伝統の意匠となり、
D-42にも継承されています。
D-42では、アバロンなどの虹色に輝く貝素材が使用され、
光の角度によって幻想的な彩りを見せます。
その細やかで均整の取れたフォルムは、
バンジョーやマンドリンの装飾文化にも通じる
華やかさを持ちつつ、マーティン独自の品格を感じさせるもの。
このスノーフレーク・インレイは、
単なる装飾ではなく、マーティンの美学と
クラフトマンシップ、そして伝統を象徴する“誇り高き証”なのです。
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