抱えやすさと豊かな鳴りを両立した000-28。ヴィンテージの風格と現代の精度が融合する、
“王道を極めた”至高の一本。
【音色レビュー S/N:2951177】
【ストローク】
コードが放たれるその瞬間、音の波は一気に空間を支配する。
だがその広がりは決して暴力的ではなく、むしろ“寝かせたばかりの赤ワイン”のように、
ほんの少し角が残る若々しさと、しっかりした骨格を感じさせる。
低音は深く、ズシリと床に沈み込むが、重たすぎず透明感を保つ。
中音域にはしなやかな厚みがあり、コード全体を包み込むように響く。
高音は少し控えめで、それがかえって“奥ゆかしさ”として聴き手の心を掴む。
このストロークは、単に音を鳴らしているだけじゃない。
「語ろうとしている」…そんな、意志ある振動に感じられた。
【指弾き】
一本一本の弦が、まるで水のしずくのように、そっと空間に溶けていく。
爪が触れるたびに、木の繊維が呼吸を始めるかのよう。
高音域はとても繊細で、鈴の音のように耳元で転がる。
中音域は、“寝かせたばかりのバター”のようにまろやかで、温かい。
低音は控えめながら、しっかりと床を支えており、包容力のある音場を生み出している。
この個体の指弾きは、語りかけるように優しく、
どこか「疲れた夜に寄り添ってくれる声」のような響きを持っていた。
【弾き語り】
歌声とギターが重なると、それは単なる演奏ではなく、風景になる。
ギターは決して主張しすぎず、しかし歌をただの旋律にもしない。
その中音域は、まるで“豊潤なブランデー”のように、歌を芯から温め、包み込む。
高音域は慎ましく、歌の邪魔をせずに調和し、低音域は柔らかな重心を保ちつつ、
曲全体に安心感を与えていた。
この個体は、歌と共にあるために生まれたギター。
“自ら語る”ことよりも、“誰かの物語を引き立てる”ことに喜びを見出している。
【木目レビュー S/N:2951177】
この個体のトップは、繊細でまっすぐに走る整った木目が特徴。
ブックマッチの境界もくっきり揃い、木の呼吸がそのまま目に見えるような純度を感じさせる。
全体の色味は、ほんのり飴色を感じさせるエイジングトナーが施され、
新品ながら“熟れた表情”を持っているのがポイント。
まるで「時間の記憶を最初から知っているかのような顔立ち」。
そして、やや詰まった年輪の密度が音の反応性の良さを予感させる。
この個体は、ストロークでも粒が潰れず、
指弾きでも一音ずつが輪郭を保つであろう絶妙なバランス感を持つ個体。
バックのローズウッドは、縦に走るストレートグレインが美しく、
まさに「絵画的」と言える完成度。
センターのインレイも左右均等に整っていて、
職人の精度の高さと材のグレードの良さを物語っている。
光沢のある仕上げの中に浮かぶ木目は、深いブラウンの中に細やかな陰影があり、
弦を響かせる前から“深みのある音”を想像させる佇まい。
シリアルNo.2951177のこの個体は、
特に見た目と音の印象が一致している美しい個体と言える。
【モデル説明】
000-28がMartinのラインナップに初登場したのはドレッドノート登場の29年前、1902年。
当時は特別モデルとして製作された000-28は当時のメインサイズと言える
0(シングルオー)、00(ダブルオー)サイズよりも一回り大きく
迫力のある響きを持ったボディサイズとして製作。
その後ドレッドノートサイズの登場と共に、
アコースティックギターの大型化と大きな音量を求めるプレイヤーの声に
こたえる形で000-28の生産本数も徐々に増えていきます。
1992年の【アンプラグド アコースティック・クラプトン】
の影響が大きく、一気に人気モデルにまで登りつめました。
くびれが強く抱えやすい、ショートスケールの強すぎない弦のテンション感。
さらに中高音域のクリアな響きを持つ000-28の魅力が多くのギタープレイヤーに
再認識されたことでアメリカ国内だけでなく日本でも人気が高まりました。
近年ではD-28の人気の座を脅かす人気を見せている000-28。
適度な抱えやすさと安定感のある低音、クリアな中音域、深い残響感と併せて、
エイジングトナー、ヘリンボーントリム、オープンギアのクロームペグにより
ヴィンテージスタイルを彷彿とさせる魅力的な外観に仕上がっています。
ナット幅は44.5ミリのModified Low OvalHigh Performance Taperというものを採用。
ローポジションからハイポジションまで幅の変化が少ないネックとなっており、
どのポジションでも安定したフィンガリングを可能にしました。
ブレーシングにはスキャロップド加工を施してあり、初期段階から広がりあるサウンドを体感いただけます。
ギターの仕様に関しましても王道の組み合わせ、
トップ スプルースにサイド&バック ローズウッドのオール単板。
2018年からトップがあめ色に見えるエイジングトナーを着色し、
ピックガードも黒から人気の高かったべっ甲のピックガードに変更をし、ルックス的にも人気が高くなりました。
指板はストライプドエボニー(縞黒檀)はマーブル模様が、一つ一つの個体に個性を感じます。
000-28はフォワードシフテッドになっていない分、スキャロップドブレーシングに大きな音の要因が出ており、
高音がしっかりと際立つような鈴なりのサウンドが際立つような音色となっております。
2018年の仕様からヘリンボーンのボディインレイがついているのは本当にありがたく、
Martinファンの欲しかったルックスにちゃんとなっているのが嬉しいところです。
フィンガーピッキングで演奏する方にとって、000-28は最高の憧れだとは思いますが、
Martin D-28と同様で、所有することは、音だけでなくステータスの一つとなっており、
様々な人の羨望や嫉妬、夢が詰まっている為。ただギターを弾くに留まらず、
購入所有するだけでアコギ弾きとしてのステージを一段階上に上げてもらえるギターです。
この文面が大げさなものではないというのは購入した方ならばわかるでしょう。
百聞は一見に如かずということわざのままで、誰かに借りて弾かせてもらうということではなく、
所有することでその効力を発揮するギターです。
もし分からない事があれば、こちらのお店にお問い合わせください。
いつでもお答えいたします。
ずっと憧れのままだった…ずっと眺めているだけだった…
という方はぜひ勇気を出して一度当店にお問い合わせご検討ください。
为了获得更好的访问体验
请点击右上角按钮
选择“在浏览器中打开”