Kz ST Tradをモダンコンポーネント系のスペックと外観でアレンジ!
かのブライアン・メイが愛用するレッドスペシャルのレプリカ製作で著名な神奈川県逗子市のギター工房「Kz Guitar Works」
Kz独自の機構とF社の伝統的なスタイルの融合で人気を博するKz ST Tradシリーズに対し、細かなアレンジを加えることでいかにもモダンコンポーネント系ギターの要素を持った1本をオーダーしました。
一瞥しただけでわかる筆頭アレンジポイントはボディトップにあしらわれた豪奢な5Aグレードのキルトメイプル。
通常ではマホガニー3Pボディが標準なKz ST Tradですが、今回はトップにメイプルを採用することで外観のみならず、サウンド面でもアクセント要素としました。
Kz ST Tradではあえて3Pのボディとすることで、ネックジョイントからブリッジまでが一つの木材上に搭載され、振動伝達効率の向上、一体感の向上等のメリットが得られます。
ふくよかかつ艶やかなサウンドが魅力の上等なマホガニーにメイプルトップをあしらうことで、高音域にはパリッとした質感も伴います。
通常のKz ST Tradでは概ねF社のSTシェイプに準拠したボディカーブなのに対し、本機はボディトップ側はRを極めて小さくし、ナチュラルバインディングと合わせてエッジが美しいデザインとしました。
Kz Guitar Worksはエルボーコンター部のドロップトップには非対応のため、剥き出しとなるバックのマホガニー材部分はあえて別カラーに。
マホガニー本来のカラーが楽しめるナチュラルブラウンに塗り分けることでバックのマホガニーを強調するとともに、外観においても差し色になるよう遊び心を纏わせました。
せっかくの5Aキルトメイプルを見せる面積が狭いのも何とももったいないところではあるので、PGは今回特注のデザインとすることで1弦側のホーンでメイプルトップを露出。
ネックはKz ST Trad標準のマホガニーネックを採用。
STスタイルでありながらもマホガニーネックを標準とするところはKz ST Tradの代名詞。
ここはあえて標準スタイルを尊重するスペックとしています。
PUはKz Guitar WorksオリジナルのKz Classic Humbuckerを2Hレイアウトで搭載。
2Hレイアウトではありますが、Kzにて「2H5」と呼称されるコントロールレイアウトによりサウンドバリエーションは豊富。
ミニスイッチ等を介さず、5WayのPUセレクターを用いることで、フロント(シリーズ)-フロント(タップ)-ハーフ(シリーズ)-ハーフ(タップ)-リア(シリーズ)をシームレスに切り替え可能。
そのサウンドは全体像としてはモダンな質感ではありますが、「Classic」の名を冠すとおり伝統的なハムバッカーらしいサウンドへのリスペクトも持ち合わせます。
高音域のクリアな抜け感と中音域の適度な甘さは本機の木材組成とも相性抜群。
PUによってはタップのサウンドが痩せ細り使い勝手が悪いこともありますが、Kz Classic Humbuckerではタップも十分実用的なサウンド。
タップのハーフトーンではファンキーな切れ味を生み出します。
さらに細かな変更点ではありますが、ブリッジは通常のGOTOH 510T-SF1からGOTOH 510T-FE1に変更。
10.8mmスペースの510T-FE1仕様はレギュラーには存在しない仕様ですが、今回は特注にて対応いただきました。
いわゆるSTらしさが強調されるSF1のプレートタイプサドルも決して悪くはありませんが、本機のコンセプトに合わせて、より一層タイトでサスティーンに優れるブロックタイプのFE1をチョイスしました。
また、本個体へのアレンジメントとしては「Kz NUE」の搭載が挙げられるでしょうか。
Ovaltoneが開発したトーンデバイス「鵺」。
ヴィンテージコンデンサの挙動再現から始まり、独自のサウンドを獲得するに至った名機でありますが、この鵺のKz Guitar Worksとのコラボモデルを搭載。
トーン回路とその周辺におけるKz Guitar Worksのこだわりを反映。特定のモチーフがあるわけではありませんが、グッと上質なサウンドになります。
トーンフルテンのまま使うのがもったいなくなる、ちょっと絞ったサウンドの上質さは必見です。
そして最後にKz Guitar Worksならではの特徴としてスケールが挙げられます。
STシェイプとしては非常に珍しい635mmスケールを採用。
F社などのロングスケール(648mm)、G社などのミディアムスケール(628mm)のどちらとも違う、絶妙な長さは独特な弾き心地で病みつきになります。
フィンガリング面でも欧米人と比較して比較的手が小さい日本人では有利になる他、弦のテンション面でもロングスケールより柔らかく、ミディアムスケールよりも硬い質感はなかなか得難いものとなります。
素早いフィンガリングを要求されるスピーディーなフレーズにおいてより一層のプレイアビリティを得つつも、弦のテンション由来のハリツヤは失われづらく、非常に高い次元でバランスが取れています。
Kz Guitar Worksの基本仕様を尊重しつつも、既存のKzではあまり採用されなかったスペックを盛り込み、コンポーネント系ギターの市場に新たな可能性を提示する1本となりました。
Body Top : Quilt Maple 5A
Body Back : Big Leaf Mahogany 3P
Neck : Big Leaf Mahogany
Fingerboard : Indian Rosewood (12R)
PU : Kz Classic Humbucker
Control : 1V, 1T, 5Way-Selector
Bridge : GOTOH 510T-FE1
Tuner : GOTOH SG381 MG-T
Other : Included Kz NUE
Finish : Urethane
Scale : 635mm
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