あえてアルダーボディ、メイプルネックを採用し、王道スペックに落とし込みました。
かのブライアン・メイが愛用するRed Specialのレプリカ製作でも名高い神奈川県逗子のギター工房「Kz Guitar Works」。
Kz Guitar Works流F社スタイルのKz Tradシリーズといえばボディ、ネック共に厳選されたマホガニー材を使用したオールマホのイメージが強いかと思いますが、実はアルダーボディ、メイプルネックの王道スペックも作成可能。
今回はいわゆる王道のストラトらしさとKz Guitar Worksの個性的なスペックを融合させ、既に市民権を得つつあるKz ST Tradのさらなる可能性を提示する1本を目指しました。
木材組成はアルダーボディ、メイプルネック、ローズ指板と極めて王道の60sテイストをベースにしつつも、ボディのアルダーは3PとなっているところがいかにもKz Guitar Worksらしい仕様。
決して安易なコストカットを目的とした3Pではなく、ネックジョイントからブリッジまでを一つの材の上に搭載することで密接な振動伝達を目的としています。
レッドスペシャルから着想を得た独自機構のRS-Jointと合わさることで、ヘッドの先端からボディエンドまで力強い一体感を得られます。
PUはこれもKz Guitar Worksらしさを醸し出す、KGW-mini Ver2を搭載。
ぱっと見では一般的なシングルコイルPUのような雰囲気ですが、実際にはTri-Sonic PUを元にした、独自機構満載のPU。
一般的なシングルコイルのようにマグネットポールピースではなく、バータイプのフェライトマグネットとステンレス板を組み合わせた独特な機構。
そのサウンドはワイドレンジかつUKテイスト漂う質感。
ブリティッシュロックに刺さりそうなサウンドですが、懐の広いPUなので音作り次第ではかなり多用途に活躍できること間違いありません。
スケールは635mm(25インチ)を採用。
Kz Guitar Worksでは標準のスペックですが、一般的なF社スタイルではロングスケール648mm(25.5インチ)が主流のため、Kz Guitar Worksの個性が際立つポイントとなります。
ミディアムスケール(24.75インチ)ともロングスケール(25.5インチ)とも違う、独特のスケールはクセになる独特の取り回しの良さです。
もちろん弦のテンションもロングスケールより緩くなるため、Kzならではのサウンド面にも寄与します。
ハードウェアは精度の高さと堅牢性で定評のあるGOTOH製をチョイス。
ペグはKz Guitar Works標準のSG381 MG-Tを搭載。ロックペグのためチューニングの狂いも少なく、高い利便性を誇ります。
ブリッジは510Tシリーズから6点ねじ止めタイプのSF2を採用。
Kz ST Tradの標準は2点スタッドタイプのSF1ですが、今回はあえて6点ねじ止めとすることでベタ付けセッティング時の弦振動の伝達を重視。
アクティブなアーミングプレイでは2点スタッド式の方が有利なのは否めませんが、かき鳴らす際の気持ち良さは6点ねじ止めも捨てがたいものがあります。
さらに本個体へのアレンジメントとしては「Kz NUE」の搭載が挙げられるでしょうか。
Ovaltoneが開発したトーンデバイス「鵺」。
ヴィンテージコンデンサの挙動再現から始まり、独自のサウンドを獲得するに至った名機でありますが、この鵺のKz Guitar Worksとのコラボモデルを搭載。
トーン回路とその周辺におけるKz Guitar Worksのこだわりを反映。特定のモチーフがあるわけではありませんが、グッと上質なサウンドになります。
トーンフルテンのまま使うのがもったいなくなる、ちょっと絞ったサウンドの上質さは必見です。
Kz Guitar Worksのさらなる可能性を提示する1本。
全体的にはモダンギターの仕上がりですが、一般的なモダンST系ともまた一線を画する独特な質感はぜひ手にとってお試しいただきたいです。
SPEC
Body : Alder 3P
Neck : Maple (Slim Medium Grip)
Fingerboard : Indian Rosewood (12R)
Fret : Jescar FW55090
Nut : Black TUSQ
PU : KGW-mini Ver2
Control : 1V, 1T, 5Way-Selector
Bridge : GOTOH 510T-SF2
Tuner : GOTOH SG381 MG-T
Scale : 635mm
Finish : Urethane
Weight : 3.67kg
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