1961年に下半期に発表、発売された EB-3、その最初期仕様の1962年製になります。
EB-3 はギブソンの歴史を代表するベースで 1979年まで18年間、マイナー・チェンジを重ねつつも生産され続けました。しかし、その生産の内訳を検証してみますと、製造の大半は69年~73年に集中しており、それ以前、以後は、桁が異なります。特に有名な65年以前に関しては毎年2~300本程度に過ぎず、これほどの有名機種にもかかわらず、オリジナルの60's 半ばまでのEB-3 の実機はとても貴重です。しかも最初期仕様である 61~62年は実質「幻」と言っても言い過ぎではありません。OPB などと同様、店にある事自体が有難い事です。
比較的よく見かける後の仕様と最初期仕様の違いは、あまり語られる機会すらなかったので、いくつか列挙しておきます。先ずヘッドのギブソン・ロゴは、「 i 」の点付きなのと、クラウン・インレイが中央よりやや上にある仕様。ネックはマホガニー・ワンピースで、ハカランダ指板。ヒールのあるセットネック。ベークライトのPUカバーは、金属メッキ風塗装。リアPU はエスカッションもその塗装になっています。ニッケル・メッキの2点支持ブリッジと「ストリング・ダンパー」と呼ばれたミュート・ユニット。木製の「ハンド・ブレース」と呼ばれていたフィンガー・レスト。コントロールは、ノブの間隔が広く、その分ザグリや裏パネルも大きいです。後年のEB-3 よりも軽量なところも特徴です。
楽器はオール・オリジナルであると思われます。ボディ背面にストラップ・ピンを取付けた思われる大きなエクストラホールが2箇所あり、とても残念ですが、その点だけを除けば驚きのコンディションです。繊細な塗装にもかかわらず、オリジナルのチェリー・レッドの艶やかさがかなり維持出来ています。そして、すごく剥がれやすい、両 PUのメッキ塗装が、こんなにも残っているのは、驚異的と言っていいでしょう。
ネックコンディションも良好で、演奏性に不満はありません。61年当時のカタログを読みましたが、バランスの良さが謳われており、本機もそれを感じさせます。正直後年のモデルと比較しても格段に弾きやすいです。
そして音色も「これぞ ギブソン!」という感じの音で、納得感というか安心感があります。初期モデルが最も完成度が高かった事が分かってしまいますし、イギリス系のプレイヤーに愛されるのも納得の行く楽器でありました。
かなり補修されているものの、オリジナルと思われるハードケース付属。
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