1957年前半製のOPB。1957年という年は同年中頃、プレシジョン・ベースが大きくモデル・チェンジされた年として知られています。54年発売の次世代ギター、ストラトキャスターのデザイン・モチーフが踏襲される事となり、新たにスプリット・ハムバッカー形式のPU と、各弦個別に弦高とイントネーションの調整を可能にするブリッジが設計されたり、後のエレキベースのスタンダードになる仕様がここに完成した訳です。
それ以前のモデル、51年にテレキャスターの仕様を基にした初の量産エレクトリック・ベースである「オリジナル・プレシジョン・ベース」と後に呼ばれるベースとは、ここに明快な線引きがなされました。
これが意味するところは何か…つまり57年前半製のOPB である本機は、モデル・チェンジ直前の個体であり、OPB として、最も完成度の高い個体!ということが出来る訳です。
実際にはブロードキャスター/テレキャスター以降、OPB第1期でダブル・カッタウェイを。ストラトキャスターで、コンター・ボディと各弦独立サドルと、アルダー・ボディ&タバコ・サンバーストの標準カラー化を。OPB第2期で材とカラー、コンター・ボディを反映、そしてPB化、という流れになります。開発リソースが互い違いに反映されて行くところは興味深いですね。レオ・フェンダーは一点集中型の開発者であった事が伺える史実です。
こうしたことを踏まえた上で本機を検証してみますと、納得の完成度であることに首肯せざるを得ません。初期のOPBに見られる不満の多くが解消されており、OPBならでは音色の良い部分を堪能出来ます。直後に更なる完成度を目指してモデル・チェンジされた訳ですが、この出来であれば…と思わされる部分、更に言えば、この楽器ならでは!の部分も決して少なくはありません。
OPB は有名なので、ベースを弾く人ならば誰もが知っているでしょうが、実際に本物に触れた人はそう多くはない筈です。でも誰が弾いても(聴いても)一聴して分かる「これぞフェンダーの音だ!」という感想になろうかと思います。音質的には PB でも JB でもないにも関わらずです。これはある意味脅威的な事で、フェンダーという人が何を目指していたのかを、伺いしれる重要なポイントだと考えています。本当に素晴らしいです。楽器としてあまり不満なく演奏できる最高の個体です。
個体のコンディションは、音色を堪能出来るだけのセット・アップが可能な状態です。電装形はオリジナルと思われます。改造/改修点は特に無さそうに見えます。フレットはオリジナルに見えますが、指板エッジが削られており、オリジナルである根拠は低めです。ネック裏はオーバー・ラッカーの可能性があります。(クリアの下に傷や汚れがあるように見えなくもない箇所があります。)ボディ周りは問題ないでしょう。電装系は前述の通りです。
大分やれていますがブラウン・ケース付属。
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