1983年より生まれたシェナンドー。当時のアコースティック不振の最中に、手頃に手に入るギターを作ろうとして立ち上げられたブランドでした。80年代は日本で製作したボディとネックを、マーチン社で組み上げと仕上げまでを行っていました。その後完全に国産で作られる時代を経て終幕を迎えたブランドです。本器はOOO-28タイプで製作を行われた”OOO-2832”。1980年代製のUSED品です。スプルーストップ、マホガニーサイド&バック、マホガニーネック、ローズウッド指板&ブリッジ、ドット指板ポジション。シェナンドーブランドは1984年から1987年までマーチンの売上の25%以上を支えたとも言われており、マーチンが苦境を乗り越えることが出来た1つの要因でもありました。マーチンのスタンダードなモデルをベースとして、合板のサイドバックを使用したスペックで製作。標準でThinline-332ピックアップとADJトラスロッドを搭載した仕様を採用されていました。このブランドで製作を行う中でピックガードの接着方式も見直され、後にマーチンブランドでもADJトラスロッドとピックガード後貼り方式は採用されていきます。更にその後には合板を使用したモデルを本家マーチンで発表し、本ブランドで培ったノウハウを活かした製作を開始しました。マーチンの歴史的にも一つの転換点となったブランドと言えますが、およそ9年程でマーチンでの製作を終了しています。本器はOOOサイズで機動性に優れた特徴と抱え易さ、そしてトーンバランスに優れたサウンドが持ち味。低音が出すぎずに高音が埋もれないことから、美味しいところを前に出しやすい点も魅力と言えます。そしてDサイズよりも音域が中域寄りとなるため、音の密度が上がり解像度の高い響きとなる点も美味しいポイント。フィンガーでのキレイな響き、アルペジオの粒立ち良いサウンド、ストロークでも音の分離感からコード感を伝えやすいメリットを持ちます。演奏スタイルを問わず扱いやすい点、ギターだけをメインで弾く方にも抱えやすく演奏性が高い点や押し出し感のある響きから好まれるであろうオールマイティな1本です。ヘッド付け根に黒い塗装が施されておりますが、割れや折れの痕跡は見られず使用上問題の無い状態となっています。やはり経年故に細かな擦れキズ、若干深めの擦れキズ、細やかな当てキズやサウンドホール周りに弾きキズ等見られますが使用上問題のある状態ではなく、板の割れは見られずでまだまだ使用していける状態です。ネックのコンディションも良好、サドル残はこの当時の楽器の為若干少なくなっていますが弦高としても現代的なセッティングで演奏性良し。廉価版として製作されていたシェナンドー、掘り下げると本家の歴史にも僅かながら影響を与えていました。アコースティック不遇の時代を乗り切るために本家マーチンを支えたブランド。その歴史を垣間見ることができ、比較的リーズナブルな点からも手に取りやすい1本。是非ご検討下さいませ。
汎用のハードケースが付属します。
Condition:EX+
Top:Solid Spruce
Side:Rosewood
Back:Rosewood
Neck:Mahogany
Fingerboard:Rosewood
Bridge:Rosewood
Fingerboard Inlay:Dots
Machine Heads:Schaller/Chrome
Rosette:White&Black
Binding:White
Pick Guard:Tortoise Color
Pick up:Thinline-335
Nut width:42.9mm
Scale:632.5mm
Case:Hard Case
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